密林に赤いランドセル…戦没者、いかに慰霊するのか(産経新聞)

【眠れぬ墓標】(5)

 東京・九段の国立施設「昭和館」。地下1階の資料収蔵室に、旧戦地から戻った持ち主不明の多くの遺留品が、ケースに入れて保管されている。

 色あせ、ところどころ汚れた何枚もの日章旗や千人針、認識票…。「祝入営 山田平八郎君 麹町青年学校教職員生徒一同」「祝入団 亀井松寿君」。兵士の名前とともに「武運長久」「義勇奉公」など勇ましい激励の言葉や、毛筆の寄せ書きがある。無事を願って家族や職場の同僚らが贈り、兵士たちが身につけて戦地に向かったのだろう。

 これらの遺品は、遺骨収集の際に発見されたり海外の在外公館から寄せられ、今年3月末までに厚生労働省から昭和館に移管された。その数約300点。一部は資料として展示されるが、スペースの問題もあり、大半は収蔵室に眠ったままだ。

 厚労省や昭和館には、海外で売買された日章旗や、元米兵が戦利品として持ち帰った遺留品などについて、持ち主の調査依頼や引き取りの問い合わせがある。しかし、同省は「大半は手がかりがなく、受け取ってもどうすることもできない」。同館は「業務ではないので持ち主を捜す調査はしない」。身元不明の遺留品は、帰る場所がないままになっている。

 密林で小さな遺骨とともに見つかった赤いランドセル。中にはたくさんの教科書が入っていた。昭和59年、多くの民間人も犠牲となった米サイパンでの遺骨収集に参加した赤木衛(45)は「人生がひっくり返るような衝撃だった」と振り返る。

 少女の“未来”が詰まったランドセルを、遺骨とともに麻袋に入れて山を下った。「生きていたら自分の母親と同世代くらい。背に食い込む女の子の命の証を感じた」。この出来事が、学生主体で遺骨収集に取り組むNPO法人「JYMA日本青年遺骨収集団」(東京)の理事長を務める赤木の、活動の原点になった。

 同団体は昭和42年に「学生慰霊団」として発足。45年から遺骨収集を行っており、赤木も学生時代から各地の活動に参加した。「さまざまな思想の学生がいてよく意見も衝突したが、『今のおれたちがあるのは、一つしかない命を投げ出した戦没者のおかげ』という根っこは同じだった」

 大学卒業後は活動から遠ざかったが、平成6年に休止中だった団を再建、学生たちをサポートしている。

 13年以降の政府派遣は全額国庫負担だが、それまでは自己負担分をアルバイトや賛助者の支援だけでは賄いきれず、寄付を募った企業から怪しまれ、警察に通報されたこともあった。「でも、自分ではなく誰かのために働くという喜びがあった。生きるということは命をつなぐことなんだと、収集を通して教えられた」と語る。

 先の大戦では、310万人もの邦人の命が失われた。うち、沖縄や硫黄島を含む海外での戦没者は240万人。政府の遺骨収集事業は昭和28年から始まったが、いまだ114万人分が現地に残されている。

 情報が減る中、政府は平成17年度に3年後の事業終了を示唆した。しかしその後、民間団体に遺骨の調査や情報収集を委託し、遺骨が発見された場合に収集団を派遣する方法で事業は継続されることになった。

 5月31日、東京・千鳥ケ淵戦没者墓苑で行われた拝礼式。昨年度に政府収集団などが持ち帰った遺骨3937柱が新たに納められ、計35万8269柱となった。長妻昭厚生労働相は「いまなお多くの戦没者が海外に眠っている。一日も早く祖国にお迎えできるよう、力を尽くしてまいりたい」と述べた。

 旧戦地に、今も多くの遺骨が残されている現実−。赤木は訴える。「本来は遺骨収集はとっくに終わっているはずのもの。われわれにとって最大の目的は、収集そのものではなく、後世にわたって戦没者をいかに慰霊・追悼していくかということなんです」(敬称略)=おわり

 池田祥子が担当しました。

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へらちょんぺ


6万もらったらソッコーでホテル連れ込まれたぞ!!!
しかも洗ってない俺のくっさ~いティヌポにパックンチョwww

なんだかんだで6回くらいイかされたしな!!
オレも性 欲強いほうだけど、こんな女にゃ勝てねぇよ!!wwww
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by へらちょんぺ (2010-06-12 19:24) 

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